クズにはクズのやり方で

 ああ、鞄持ってたから。

 そこに入っていたのか。

「はぁ、もう二度とこんな目は御免だ」

 私は洗面所に行き、顔を洗い、仕事へ行くために身支度を整えた。

 玄関を開けて出向かえてくれる人もいないが、一人で〟行ってきます〝といつもより二倍声を大きく家を出た。

「おはようございます」

 私は職員に挨拶をしてから、自分のデスクに座る。

「おはようございます」

 あっちこっちで挨拶が繰り広がれていた。

 私はデスクでいつも通りの仕事をこなす。

「鳳凰さん」

 本間くんが私に用があるのか声をかけてきた。

「なに。なんかあった?」

 私はパソコンから目を離して、本間くんと向かい合う。

「はい、この案件についてですが、これでよろしいのでしょうか?」

 本間くんは資料を片手に持ち、私に資料を見せた。

「これか。うん、これで合ってる」

 私は顎を手にのせてから、考え込んで口にした。

「そうですか。じゃあ、これで進めていきます。あと」

 本間くんは口にした後、私のデスクに付箋が置かれた。

「これなに」

 私が問いかけたら、本間くんは耳元で囁いた。

「昨日見ましたよ」