クズにはクズのやり方で


「……っ…少しは落ち着きました。なんか僕思い返せば、彼女に何もできていなかったなぁって。僕なりに彼女に尽くしていたはずだけど、それは彼女にとって負担になっていたのかもなって。僕は彼女が当たり前にいるものだと思っていた。でも、当たり前じゃないって気づきました。……僕は仕事クズで出来ないことは諦めていたのかもしれません。僕が僕であることを信じていた気がしたけど、その僕が僕を隠していたのかなぁと」

 京極さんは一気に話したせいでのどが渇いたのか紅茶を飲み干した。

「……京極さん。京極さんは京極さん。今の京極さんを否定しないでくださいね」

「はい」

 それから京極さんは誰かに話したことで安心したのか、ソファーで寝落ちした。

「安心して寝てるな。ふ、羨ましいわ」

 私は京極さんの寝顔を屈んでみてから、膝に手を付けてため息を吐く。

 あんなに駅の中心部で泣いていたのに、今は疲れて寝ている。

 こっちがどれだけ大変だったのか分かってんのかな。

 京極さんの寝顔を見て、今日の出来事を思い出すと呆れてしまう自分がいる。

 あんなに泣けるほど、好きだった。

 生きている人生でそんなにないと思う。