クズにはクズのやり方で

 仕事は完璧で恋愛は別にどうでもいい。

 そんなんだから、結婚できないと言われれば、ぐぅの音も出ない。 

 反論すら体力を消耗するからする気もない。

「仕事だよ、仕事!」

 私は佐藤に少し大きい声で言い放ち、はーいと言いながら仕事に戻っていた。

 仕事を率先して行う私は充実している。

 それ以上のことは望まない。

 仕事の帰り、毎週金曜日に行きつけのバーに行くことが日課だ。

「あっ…鳳凰ちゃん。今日は新作スイーツできたよ」

「マスター!」

 私は鞄を右肩にかけて、マスターに手を振った。

「なんか鳳凰ちゃん、今日、めっちゃ疲れてない」

 マスターはお客が使ったコップを布巾でフキフキと拭いて、穏やかな笑顔で出迎えてくれた。

 カウンター席に座り、頬杖をつき、言葉に出す。

「マスター! 分かります? 最近、いろいろ、めんどくさいんですよ」

「なに。めんどくさいって」

 マスターは私の酒を作っていた。

 酒をシェイクをして、はいと私の胸の前に置いた。

「…私って、恋愛クズじゃないですか」

 私は頬杖をついたまま、いつもの甘いカクテルを口元に含ませる。