仕事に行くと思うと、不思議と身体が動いた。
自分では分からない力が備わっているのか。
顔だけでも洗うために、洗面所に行き、顔を洗い、服を着替えた。
メイクもクマや疲れを隠すためにコンシーラーをたっぷり塗った。
近くのコンビニでおにぎり二個を買い、職場まで急いだ。
「吉岡さん。今から向かいます」
吉岡さんに電話連絡をしながら、職場へと地下鉄へ乗り継ぎ、駅から職場まで歩いた。
「おはようございます」
「鳳凰。まだ出勤前なのに出てもらって、身体の方はどう?」
「大丈夫です。あちらから連絡は?」
私は自分のデスクに鞄を置き、吉岡さんの耳を傾ける。
「こちらから連絡する旨は伝えたから」
「…分かりました。じゃあ、今私の方から連絡したいと思います」
袖をまくり、ポーチにあったゴムを取り、一つ結びをして仕事モードに戻る。
「鳳凰、よろしくね」
吉岡さんは手を上げて、他の仕事があるのか急いでデスクへと戻っていた。
「はいはい。こちらで間違いないです。はい、申し訳ありません。お手数おかけしました。はい、今後ともよろしくお願い致します。失礼致します」

