クズにはクズのやり方で

「…僕、彼女ともう一回話してみます。早速、電話してみます」

 鞄からスマホを出して立ち上がり、彼女の電話番号をタップしていた。

「…ちゃんと分かってもらえるといいですね」

 外に出ていた京極さんの背中を見送り、ぽつりと呟いた。

 十分後。

 彼女の電話を終えて戻ってきた京極さんは目に涙が溢れていた。

「京極……さん」

 泣いている京極さんの名前を呼んだ。

「鳳凰さん。また、今度にでも話しましょう」

 椅子に置いていた鞄を取りに行き、京極さんは帰っていた。

 私一人、残して。

「……はい?」

 私は急に帰っていた京極さんに唖然とした。はぁ? と大きい声が出た。

「なんなの、呼び出しておいて。置いていくなんて」 

 足を組んで、少しでもイライラをなくそうと私はため息を吐き出す。

 スマホを弄っていたら、カランカランとドアの扉が開いた。

 誰だと思い、ドアの方を見ると、マスターが帰ってきた。

「マスター!」

 マスターは両手に荷物を抱えていた。

 早く戻ろうとして駆け足で駆けてきたのか、はぁはぁと息切れをしていた。

「……あれ? 綾人くんは?」

 マスターはお店の中を左右に見渡した。