クズにはクズのやり方で

「大丈夫ですけど、どうしたの? マスター。珍しいよね」

「ああ、そうだね。鳳凰ちゃん、綾人くんのことなんだけど」

「ああ、京極さんのこと? なんかあったの?」

 マスターはいつもより低い声で疲れているのか少しだけ元気がなく感じた。

「そう。あったみたいなんだよ。鳳凰ちゃん、どうしよう」

「マスター、京極さんとなんかあったの?」

 マスターに聞き返すと、数秒黙っていた。

「…っ綾人くんね、彼女と別れたんだって」

「え? やり直すって意気込んでたのになんで?」

 言いにくそうにマスターは口を開いた。

「…彼女、浮気してたんだって。昨日、発覚したらしく。昨日からここのバーに泊まってるんだけど。何も話してくれなくて。買い出しいかなくちゃいけないんだけど。一人にするのはなんか心配で。鳳凰ちゃん、仕事あるのは分かってるんだけど、一人にさせておくと何かやらかしそうだから。鳳凰ちゃんにだけ伝えようと思って。来れないことは分かってるんだけど。綾人くん一人の時に鳳凰ちゃんに連絡くるかもしれないし」

 京極さん、彼女と話してみて、発覚したってこと?

 つまり、相当落ち込んでるってこと。