クズにはクズのやり方で

 佐藤はすぐ鞄を持ち、颯爽と駆けていた。

「あの笑顔……とこの仕事量。対比がすごいな」

 自分の椅子をリクライニングして、目を瞑り、深いため息をついた。

 おし! と自分の頬を両手で叩いて、気合を入れた。

「よし! やるか」

 私は両こぶしを力強く握りしめた。

デスクの引き出しに保管していた缶コーヒー一缶を取り出し開けた。

ひと口飲んで、パソコン画面へと向き合う。

 早朝4時。

「終わった!」

 私は両手をあげて、椅子を一回転して、机に突っ伏した。

「ああ、疲れた」

 机に突っ伏したまま、私は寝てしまった。

「鳳凰」

「鳳凰さん」

 誰かの声がして、目を開けると、そこには吉岡さんがいた。

「吉岡さん! 佐藤」

「どうしたの? 寝てないの? 鳳凰」

「はい。仕事していて」

「嫌だ~めっちゃクマできてるし。鳳凰、ゴメン。佐藤からは事情は聞いた。佐藤、自分のやる仕事はきちんと終わらせて。鳳凰。佐藤には言ってきかせるから。休んできて。佐藤、ちょっと来て」

「鳳凰さん。すいません。私が頼んだばかりに」

「大丈夫だよ」

 私は今できる精一杯の笑顔で答える。

「…はい……」

「佐藤、こっち」