クズにはクズのやり方で

 私の両肩を掴んで、満面な笑みで私の顔に近づき笑いかけた。

「はい。これで決まり! 本間くんのこと鳳凰、よろしくね」

 決まったことで他の同僚は拍手をしてから、仕事へと戻っていた。

 吉岡さんもじゃあと手を挙げて、他の仕事へ向かっていた。

 本間くんと私だけになり、沈黙が続いた。

 社会人の先輩である私から声をかけるしかない。

「本間くん。これからよろしくね。今から仕事の説明していくから頭に入れるようにしてください」

 私は目の前にいる本間くんに伝える。

 それを見て、本間くんはすぐさまジャケットにある胸もとからメモ帳を取り出して、私の言っていることをメモした。

「……っ…これでこうで。はい」

 私は部署を回りながら、これはこれと指をさして、本間くんに事細かく説明をした。

「一気に説明したから分からないところあると思うから、分からない所あったら聞いてください」

 部署内の仕組みや業務説明をした。

 私が今までしてきたことを本間くんに受け継ぐ形になった。

 本間くんは眉をしかねて、メモ帳とにらめっこしていた。

 あっと頭を上げて、私と目が合う。