クズにはクズのやり方で

「それならいいんですけど。あ、もうこんな時間だ。鳳凰さん、帰りますか?」

「ああ、そうですね。帰ります」

 私は鞄を手に持ち、財布を取り出した。

 自分の分を払おうと、クレジットカードを出した。

「これで」

「カードですね。承知しました」

 オーナーが忙しいので、店員にカードを渡して払った。

「僕は現金で」

 京極さんは現金で払い、二人は外に出た。

 冷たい風が酒を飲んだ熱い頬にあたり、目を覚ます。

「鳳凰さん。さっきから変ですよ。大人しくなっちゃって」

 さっきの威勢はどこかに消えて、今はただ佇んでいる。

「京極さん。さっき言いましたよね。私は仕事も恋愛も出来て、完璧だって。一日彼氏限定でも京極さんはなんで引かないんですか? 普通引きますよ」

 鞄を持ったまま下におろして、さっきに歩いていた京極さんをただ見据えた。

「え? なんでって。僕は引かないですよ。引く理由あります? だったら、僕の方が普通に引かれると思いますよ。彼女一筋なのにこれですから。もう少し、僕も頑張ってみますけどね」

 私に身体を向けてから、京極さんは前を向き歩いた。