クズにはクズのやり方で

 オーナーとももう少し話したかったけど、話す時間はなさそうだ。

 二人だけだと、京極さんの落ち込み度が急激に上がりそうだ。

 今まで話してこなかった話まで話しそうになる。

 お客さんは社会人女性での集まりなのかスーツを着て、愚痴を言っていたり、笑ったりして今までの溜まっているものを吐き出しているように見えた。

 そんな風に言いあえる人や環境に恵まれていて、羨ましい。

「…別に情けなくてもいいんじゃないですか。誰かを一途に愛せるって才能だと思うし。きちんと考えてくれてるって分かるから」

 京極さんが彼女のことを想っていることは伝わる。

 私の愛なんて誰に言っても伝わらない。

 京極さんの愛は誰が見ても、いい彼氏だし、自慢できる話だ。

 私の本当の話をしても、理解されない。

「考えてるだけですし。僕、仕事できないからこれしか出来ないんです。彼女を尽くすこと以外取り柄なんてない」

 京極さんはマイナスな言葉しか発さなくなった。

 これ以上、私が慰めても意味がない。

「マスター!」

 私は忙しいマスターを呼んだ。

「どうしたの? 鳳凰ちゃん」