クズにはクズのやり方で

 酒も飲み過ぎて、もう身体がボロボロだ。

 ひとりの部屋に帰ると、急に孤独が襲ってくる。

 ひとりもいいけど、今はなんだかひとりにはなりたくなかった。

「…いつものバーでなら。話を聞いても」

「失礼ですが、お名前聞いてなかったですよね。お名前、聞いてもよろしいでしょうか?」

 彼は私を探るような目で見て、名前を尋ねた。

「鳳凰翠(ほうおうあき)です。あなたは?」

 私は鞄を握りしめて、かしこまった挨拶をした。

「僕は京極綾人です」

 お互い軽く礼をしてから、「では行きますか」と私が言うと、いつものバーまで歩いていった。

 いつものバーまでは地下鉄を一駅乗り継いで、歩いて向かった。

「マスター!」

 カランカランとドアを開けて、オーナーに手を振り店内に入った。

「あ、さっきぶりだね。鳳凰ちゃんと綾人くん? どういう組み合わせ? 仲良くなったの?」

 オーナーは目を丸くて、不思議な組み合わせに私と彼を交互に見ていた。

「オーナー、さっきぶりです。戻ってたんですね」

「うん。君たちはどうしたの?」

「さっき、居酒屋で会ったんですよ。オーナーは会わなかったですか?」