クズにはクズのやり方で

 京極さんの一言で、私はそれ以上の涙が溢れかえった。

 ずっと立っていたので、自分の部屋に入り。ソファーに二人で腰を掛けた。

「すみません…」

「いえ、お互い様です。僕も泣きじゃくりましたし…」

 京極さんは照れくさそうに髪をかいていた。

「…本当、そうですよね。あの時、大変だったんですよ。分かってます? 私がどれだけ京極さんのお世話したと思ってるんですか?」

 私はテーブルにあったティッシュを手に取り、鼻をかんだ。

「やっと、元の鳳凰さんに戻りましたね」

「…へぇ?」

 目に涙がまだ溢れていたので、ティッシュでふき取った。

 テーブルにティッシュを置き、返事をした。

「元の鳳凰さんです。さっきのも鳳凰さんですけど、また違う鳳凰さんでしたから」

 私の隣でにこやかに優しく笑いかけて、私を愛おしそうに見つめる。

 もう、いいんじゃないかな。

 鳳凰翠。もう、前の私とは違う。

 好きなんだ、どうしようもなく、京極さんのことが。

 この気持ちを認めても、この人なら私を捨てたりしない。

 本当の愛を…信じてもいいのかな。

 愛……本当の愛とか自分の言葉にするのは恥ずかしい。