クズにはクズのやり方で

 抱きしめられてから、気まずくて私からもしていないし、京極さんからも連絡はなかった。

 連絡がきたのは、一週間ぶりだった。

 思わず、通話ボタンを押さずに胸ポケットにしまった。

 今出たとしても、なにを話せばいいか分からない。

しかも、うまく声すらでないかもしれない。この顔色では、会えもしない。

「…このまま帰ろう。ベットに横になって、今すぐ寝たい」

 そう思いながら、職場を出た。

 地下鉄に乗り、降りて早足で歩いた。

 早く家に着きたかった。

「…………」

 自分の家に着いてから、玄関先で靴を脱ぎ捨て、すぐベットに横たわる。

 目を瞑って、寝るまではあっという間だった。

 プルプル プルプル

 スマホの音が鳴り響いたので、目が覚めた。

 目を開けると、外は真っ暗になっていて、電気もつけていなかったのでより暗闇が増した。

 それでも、スマホの音だけが部屋中に響き、耳の中がざわめいた。

 ベットから起き上がり、カーテンを閉めて、電気をつけた。

 洗面所に行き、自分の顔を鏡で見た。

 午前中に見た顔よりは、少しはスッキリしていた。

「はぁ、今までこんなことなかったのにな」