クズにはクズのやり方で

 善の良いところしか見ていなかった。

 いや、嫌なところはないと思ったからだ。

 だから、見えなかったんだ。

 その場で膝から崩れ落ちて、しばらく動けなかった。

 善と他の女がこちらに来そうだったので、瞬時に動いた。

 私は空き教室で一人泣き崩れた。

 一人で帰るのも辛かったが、どうにか帰ろうと立ち上がり、歩いて帰った。

 あの日のことは、今も鮮明に覚えている。

 私はそれ以来、男という生き物に執着しなくなった。

 男はどれも同じで、女という生き物を甘く見ていると。

 でも、京極さんと出会ってからの私は、他の男とはあまり寝なくなった。

 ないとは言えないが、少なくなった。

 それは、多分自己肯定感が高まったから。

「私……そんな資格ないんです」

 そう、私は誰かを愛する資格なんてない…

 京極さんの胸で泣いたまま、私は下に俯いた。

「…鳳凰さん。泣くってことはよほど辛い過去があったんですよね。僕には分からないこと」

 京極さんは私の気持ちに寄り添うように言葉を紡いだ。

 この想いは、誰かに分かってほしい訳ではない。

 でも、私を認めてほしかったんだ。