クズにはクズのやり方で

 その時から、恋愛クズの原点が始まった。

「鳳凰!」

 私を呼ぶ声は、当時彼氏だった善(ぜん)がいた。

 彼は大学の中でも、モテ男でみんなに人気だった。

 好きになったのは時間がかからなかった。

 端正な顔立ちをしているのに、時々面白くて、空気も読めて、男女とも平等に接する。

 ある意味、私の理想の相手だった。

 こんな人が彼氏ならいいのにと思った矢先、私は善に告白された。

 私と善は同学年であるが、一緒に授業になることは少なかった。

 けれど、お互いよく目が合った。

 廊下ですれ違う時や食堂が一緒になる時などいろんな場面で目が合った。

 話すことはなかった。

 それだけの関係でいいと思ったのに、告白されるとは想像もしなかった。

 私でいいのかと思ったが、一緒に話して分かち合いたくて、付き合った。

「これから、どうする?」

「え? 私はカフェ行きたいな。善はどこ行きたい?」

「俺はね、どこでもいいよ。翠がいるならどこでも」

 私が行きたいところは、全部叶えてくれた。

 付き合ってからは誰かに言われることはあった。