クズにはクズのやり方で

 なんで……なんでそんなこと言うの。

 そんなの言われたら、私……気持ち揺らいでしまう。

 私は唇を噛みしめて、抱きしめられた胸の中で泣いた。

 両手をぶら下げたまま、私はただ京極さんの胸でぬくもりを感じた。

「……なんで……私は恋愛クズなんですよ。一日で他の男を変える、遊び人ですよ。なんでそんなこと言うんですか?」

 私は涙が溢れかえった。

 泣きたいなんて、思わなかったのに。

「鳳凰さんは、そうなったのは理由があると思うんです。ちゃんとした理由がないと、鳳凰さんはそうならないと思うんです。鳳凰さんと出会ってから、半年ですけど。鳳凰さんはちゃんとした恋愛をしたくない理由があると考えたんです」

 なんで、そんなこと思ってくれるの。

 今まで出会った男たちは、口々でこう言う。

「鳳凰はさ、男引っかえとっかえしてるけど。魅力はただの女ってだけだよね。そこがいいんだけど」

 私の魅力は女というカテゴリーのみだった。

 自分という自分がなかった。

 ただ〟鳳凰翠“としての存在は否定された。

 それが今、私が私であってもいいんだって思わせてくれるの?

 数年前、私は大学生だった。