クズにはクズのやり方で

 私は鞄を肩にかけて、下を向いてから前を向いた。

「……鳳凰さん」

 京極さんは急に私の前に立ち止まった。

「なんですか? 急に」

「鳳凰さんは本気でそう思ってるんですか?」

 京極さんは眼鏡をクイッとあげてから、私に問いただした。

「はい。それがなんですか」

 あまりにも私のことを気にするので、少し怒り口調になった。

「僕が気になるんです。鳳凰さんに幸せになってもらえないと困るんです」

 なんで、私のことそんなに気になるの。

 京極さんには関係ないことなのに。

「……っ…京極さんは京極さんの人生があるんですから。私のことは気にしないでください」 
 
 私は京極さんの前をすり抜けて、歩み始めた。

 その時、京極さんは私の右腕を掴んだ。

「…なんですか?」

「僕は鳳凰さんには幸せになってもらわないと本当に困るんです。だから……」

 私の右腕を強く握り、急に京極さんの胸が目の前にあった。

「な、なにしてるんですか!」

 私は京極さんに抱きしめられた。

「…いなくなると思って。きちんと恋愛しなくたっていいじゃないですか。僕がいますから」

 京極さんはなぜか自分の存在を私に話した。