クズにはクズのやり方で

 一〇月になったのに、まだ暑い。

 日傘を差して、カフェと向かう。

 歩いたら、カフェの前に着いた。

 カランカラン

 カフェのドアを開けたら、店員が「いらっしゃいませ」と明るく出迎えてくれた。

「ああ、待ち合わせしていて……」

 店員にそう言っていたら、右の方から声がした。

「鳳凰さん!」

 女性の声がしたので、声の方に振り向くとそこには小豆さんがいた。

「あ、すいません。いました」

 店員に軽く礼をしてから、小豆さんの方へ向かった。

「…お待たせしましたか?」

 私が聞くと、小豆さんは左右に手を振っていた。

「いえいえ、なんかすみません。気軽に鳳凰さんって……」

 照れくさそうに頭をかいてから、私の顔色を窺うように尋ねてきた。

「…別に気にしてないですよ。呼び名、そのままでいいです」

 私が言うと、小豆さんは花が咲いたかのように嬉しそうに口角を緩めていた。

「ここ、初めて入りましたよ。近所ですけど、なかなか入らないんですよね」

 隣の椅子に鞄を置き、向かい合わせで小豆さんと話していた。

「近所だとなかなかですよね。もう少し遠いと、行きたくなるんですけどね」