クズにはクズのやり方で

 店員は「ありがとうございました」と私に礼をして言った。

「余計なお世話かもしれませんが、あの彼氏とは別れた方がいいのでは?」

 私は店員の様子を窺いながら、聞いた。

 彼女の職場に押し掛けるほどの男は、自分勝手で彼女に依存しているだけだ。

 店員が自分らしく生活できないのは違う。

「…分かってます。でも、私、彼氏がいないと生きていけないんです」

 店員は下を向いてから顔を上げた。

「そうですか」

 店員がそう言うのではないかと私は予測していた。

 私は鞄を持ち直して、そっけなく返事をした。

「…はい。私、彼氏のお世話係みたいになってるんです。それでも、私、彼氏の傍にいたいんです」

 この子、多分、京極さんと同じ恋愛クズだ。

 仕事はするけど、自分のことよりも彼氏の方を優先してしまう。

「あの……店員さん。まだ聞いてませんでしたが、お名前伺ってもよろしいでしょうか?」

「小豆(あずき)と申します。よければ、連絡先教えてもらえますか?」

「小豆さんですね。はい、いいですよ」

 私は小豆さんにLINEの連絡先を教えた。