クズにはクズのやり方で

「誰だ、あんた」

「…通りすがりの者です。ここにいたら、寒いですし。迷惑になりますよ」

「ああ、俺は彼女を待ってんだよ。お前には関係ないよな」

 店員の彼氏の言う通り。

 確かに、私は関係ない。

 でも、店員が恋愛で苦しむ姿はもう見たくないと自分のことのように感じた。

「そうですね。でも、周りを見てください。あなたを見ている視線。どんな目ですか?」  
   
 店員の彼氏は顔を上げて、周りを見渡した。

「……そうか、そうだな。うん、俺、帰ります」

 店員の彼氏は納得して立ち上がり、帰っていた。

 店員の彼氏が帰ったのを見て、店員はコンビニから急ぎ足で出てきた。

「…なんて言ったんですか? 私の時はあんなすぐ帰らなかったのに」

「周りの人が見てますって言ったら、帰りましたよ」

「本当にありがとうございます! 本当は知り合いじゃなかったのに、助けてくれたんですよね」

 私と店員の彼氏が知り合いじゃないのを分かっていて、本当に私に任せたのか。

「…余計なことしましたか?」 

 私は遠慮気味に店員に尋ねる。

「いえ、違います。むしろ、感謝しかないです」