クズにはクズのやり方で

 振られても当然か。

「まぁ、この想いはまだ消さなくていいよな」

 本間くんは自分の顔を両手で叩きつけ、足を踏み出して、ドアノブに手をかけた。

「本間くん!」

 部屋から出た瞬間、吉岡さんに呼ばれた。

        *

「合計で一五六〇円になります」

 私は仕事を終えてから、近所のコンビニで買い物していた。

「……はい」

 鞄から財布を出して、電子カードを取り出した。

「電子マネーですね。ここにタッチお願いします」

 店員は明るい声でにこやかに笑いかけて私に言った。

 お会計が終わり、店員はレシートが出てくるのを待っていた時だった。

 急に大きな声で、誰かに言い放つ。

「小豆!」

「こんちゃん」

 店員の彼氏だろうか。

 親しい呼び名で呼んでいた。

 レシートが出ていて、あとは店員が私に渡すだけだが、彼氏をじっと見つめていた。

「あ、あの、レシート下さい」

 私は固まっていた店員に小さい声で呟く。

「……っあ、すいません。こちらになります。ありがとうございました」

 店員は礼をして、私は軽くお辞儀をした。