「離したくないです。本当に俺、鳳凰さんのことが好きなんです。急だと思うかもしれません。三人で食事をしてから、京極さんに言われた言葉が引っかかったんです。それでよく考えたんです。そしたら、俺も笑えるくらいに……頭に浮かぶのは、鳳凰さんだったんです。俺だって…戸惑ってるんですよ。こんな想いになるなんて、あの頃の俺に聞かせたいですよ。本当に……。食事の時はすみませんでした。だから、俺と恋愛してみませんか?」
本間くんは私を抱きしめたまま、気持ちを吐き出した。
「……本間くんの気持ちは…分かった。でも…ゴメン。本間くんの気持ちには答えられない。私、きちんとした恋愛はできない主義だから。じゃあ」
本間くんの力が弱くなったので腕を振り払い、私は立ち去った。
残された本間くんは握りこぶしを作り、苦しそうにしていた。
*
鳳凰さんが立ち去ったあと、俺は心の中で笑っていた。
笑わないと、今の俺はやっていけない。
「まぁ、そうだよな。はぁ」
俺は元カノと別れてから、素直になることは難しくなっていた。
好きになれそうかな。
あ、ないなぁと女子と会うたびに、その繰り返しだった。

