クズにはクズのやり方で

「分からないですか? 俺が職場にこのことを言わないのも、なんでか分かりますか?」

 本間くんは職場で話しているからか、やけに真面目な表情をしていた。

 仕事オンモードの本間くんそのままだった。

「えーと……私が恋愛クズだから?」

「……はあ…そうなりますよね」

 本間くんは自分で聞いたにも関わらず、なぜか下を向き落ち込んでいた。

「本間くん、どうしたの? なんか急に真面目になって……ここ職場だから?」

 私は下を向いている本間くんに顔を覗き込み、首を傾げた。

 静かな空間で密室に二人。

 変なことは、起きない…はず。

 そんなことを考えていたら、本間くんは顔を上げた。

 私の目を強い眼差しで見据えてから、私の頭を撫でた。

「え? なに」

 私は急な頭なでなでに困惑した。

「…俺は、鳳凰さんが好きなんですよ」 

 本間くんの顔が私の唇が重なり合いそうな距離にあった。

 お互い、顔を見合わせた。

 私は驚いて、一歩後ずさりをした。

 それが分かった本間くんは、ぐいと私の腕を掴み、ハグしてきた。