「………っ…隼也。あなた、分かってない。〟今後の将来のためにお金を貯めてる。お前のためにやってる〟っていつも言うけど。私は今を生きている。今を大切にしたいの。あなたが言う未来は私には見えない。未来の私じゃなくて、今の私を見てほしかった」
彼女は外靴を履いたまま、唇をかみしめた。
「…俺は優香のために……」
「それが嫌なんだって! 分からないの! 他の男たちは今の私を見て、“可愛くなったね“とか“なんか変わったね〟と言ってくれる。あなたは、将来の私しか見ていない!」
彼女は外靴を脱ぎ捨て、自分の部屋へ行った。
「…だからって、他の男と寝るなんて馬鹿げてる。俺がどれだけお前を好きなのか分からないのかよ!」
俺は彼女の部屋の前で、少し大きな声で言い放つ。
すると、彼女は部屋のドアを開けて、スーツケースをバンと強く叩きつけた。
それと同時に俺の方に顔を向けた。

