クズにはクズのやり方で

 席から立ち上がり、本間くんに言葉をぶつける。

 京極さんが……怒った?

 初めて、怒っている京極さんを見た。

 京極さんは他人の私のために怒ってくれた。

 そこまでされる義理もないのに。

 緊張して汗まで出ていた京極さんは、今は物怖じせずに本間くんに怒鳴り声をあげた。

 誰かを助けるためなら、京極さんはこんな風に怒ったりしてくれるのだろう。

 それは恋人じゃなくても、誰かが助けてとサインが出れば助ける人だ。

 彼女には一途で、仕事は出来なくても人に対しては優しい。

 彼女と別れて、子どものように泣いて、へこんでいる。

 京極さんの愛は、一途で愛が溢れている。

 私はまっすぐな京極さんを見ているのに、眩しくて見ていられない気持ちになる。

 目を逸らしたいのに、逸らせない。

「……っ京極さん、もういいです」

 私は京極さんの服の袖を強く握り、伝える。

「よくないです! こいつ、ちゃんと言わないと!」

「京極さん! もういいですから、周りの人見てますし…」

 私の言葉で京極さんはハッとしたのか、周囲を見渡した。

「……すみません」