クズにはクズのやり方で

 短髪男性の言葉を繰り返して、私は納得したように頷いた。

「鳳凰さんでしたっけ? 考え方を変えたいんですか?」

 短髪男性はあられを口にして、私の目を見据える。

「変えたくはないです。私はありのままでいたいです」

 私は短髪男性の目を見て、言う。

「あの……ちなみになんで十年も彼女さんといられるんですか。聞いて見たくて」

 カクテルを口にして、私は髪を耳にかける。

 ああと呟いてから、短髪男性はあられの方に向いて言葉に出す。

「…ただ、彼女が好きだからです。十年いられたのは僕が仕事ができないからです。彼女は優秀で恋愛に関しては別にどうでもいいんですよ。ただいればいい。それだけです」

 短髪男性は下に俯き、彼女との日々を思い出しながら語った。

 彼女といて楽しかったら、こんな切なそうにするだろうか。

 なにかあったのか。

 私には分からないことだが、十年も彼女といたら幸せで楽しいんじゃないのか。

「…それは、一般的でいう彼女と彼氏なのか。もうそれが当たり前になっている感覚なんですかね」

 私は間を置いてから、短髪男性にゆっくりと問いかける。

 ただいればいい。