クズにはクズのやり方で

「鳳凰さん、京極さん。すみません。五分遅れてしまって。地下鉄遅延してまして。やっと、着きました。あ、なんか話してました?」

 本間くんは黒サングラスをかけて、スウェットにラフな格好に見えるが、きれいめな黒シャツを着ていた。

「大丈夫。京極さん、しっかりしてください」

 小声で隣にいる京極さんに肘で強く胸に打ちつけた。

「痛っ…痛いですよ、鳳凰さん」

 私に耳打ちをして、本間くんに聞こえないように言う。

 本間くんは首を傾げていた。

「……鳳凰さん、京極さん。行きますよ。なにしてるんですか?」

「ゴメン、ゴメン。行こう。京極さんも行きますよ」

「はい……」

 私は京極さんの手を引っ張った。

 本間くんが先に行ったので追いつくように早足で駆け寄った。

 数分歩くと、韓国料理屋に着いた。

「いっらしゃいませ!」

 店員が明るい声で、私たちを出迎えてくれた。

「三名様ですね。ご予約されてますか?」

 店員の返答に京極さんは先ほどの緊張ぶりはどこに消えたのか、真顔で前に出て答えた。

「はい、京極です」

「あ、京極様ですね。では、こちらになります」

 店員が予約席に案内してくれた。