本間くんの言葉に私はカッとなった。
「ちょっと…」と一歩前に出て、言おうとした瞬間、京極さんが口を開いた。
「その言い方、鳳凰さんに失礼です。謝ってください」
「はぁ? 謝れって、あんたの方が失礼じゃない。名前も名乗らないで」
本間くんは腕を組んで、名乗れと言わんばかりに低い声で言った。
「…私は、京極綾人です。あなたが思っているような関係じゃない。鳳凰さん、困ってますから。あなたもやめてください」
京極さんは強く私の腕を握り、離さなかった。
「……ふーん。鳳凰さんの恋愛状況知ってるみたいですね。じゃあ、男ならわかりますよね。鳳凰さんとお試しにやってみたくなりますよね?」
本間くんは両手を叩いて、口角を上げていた。
人を馬鹿にした笑い、私の気持ちを考えていない。
喫茶店の前で話をしていたので、店から出てきた人など苦笑いを浮かべていた。
「……本間くん。ここで言い合うことじゃない。別の場所で話そう。京極さんもいいですから」
私は両手で頭を抱えて、二人が話すのを止めた。
これ以上、話しても何も解決にはならない。

