クズにはクズのやり方で

「…え? 京極さん。なんでここに」

 ネクタイを締めて、黒スーツ姿の京極さんの姿があった。

 いつもはヨレヨレでサイズが合わないスーツだったのに、見ない間に仕事が出来そうな格好になっていた。

 私は京極さんに手を振って、微笑んだ。

 久しぶりに、京極さんに会った気がする。

 なんか前より、少しやせ細ったように見えるが表情は明るかった。

「…鳳凰さん、なんか困ってます?」

 私は「え?」と目を丸くして、京極さんを見返した。

 京極さんは鋭い。

 この状況で察するとは…

 京極さんと目が合い、気まずそうにその場に立ち尽くした。

 何かを察したのか、京極さんは私に近寄った。

 私の手首を掴み、京極さんの方へ引き寄せられた。

「なにしてるんですか、京極さん!」

 私は小さい声で言い、京極さんの胸を叩き、手を払った。

「鳳凰さん、困ってますよね。鳳凰さんには迷惑ばかりかけてますから、これくらいしか出来ません」

 払った手をまた京極さんは私の腕を掴まえた。

 私を後ろで守り、京極さんは前に出た。

「鳳凰さん、こいつなんですか? あ、もしかして。男引っかけてる中の一人ですか?」