私はそのリスクがあるのも承知で、きちんと検査やコンドームもつけている。
「本間くん。……その考えは…うん、わかった。でも、試しでやるとか私はないから。あと、写真は消しても消さなくてもいいよ。もうこの際、どうでもいいよ。じゃあ、私帰るね。これ、お金」
証拠写真を消してもらいたかったが、本間くんと話しても意味が分からなく、自分自身が疲れてしまう。
この際、もう仕事辞めるか。
いやいや、なに言ってんの、私。
私がしたかった仕事を今やっている最中じゃないか。
こんなことのために、私は仕事を辞めたくない。
私は喫茶店から出た。
私はひとつため息を吐き、立ち止まった。
なに、やってんだろう。
私は空を仰いだ。
もう夏が近くなってきたので、暗くなるのが遅くなってきた。
「……はぁ、今重要な時期なのに…仕事に支障きたしたくないよ。はぁ……」
夕陽が落ちそうで落ちない。
もどかしい天気に、私はため息しか出なかった。
「鳳凰さん」
「本間くん、なに?」
私は後ろから本間くんに声をかけられた。その瞬間、右から男性の声が聞えてきた。
「鳳凰さん」

