王子様を助けたら子供を授かり溺愛されてどこまでも追いかけてくる件

サオリーナは腹をくくるしかなかった。

公爵夫人なんて務まるのかわからないけれど、ルカの深い愛にとらわれてしまっては、サオリーナになすすべはない。

ルカとルーカスの為にやってみよう。ルカの隣に立つために努力してみようと決心した。

オルカイ帝国は貴族制度が少し前に廃止され領地を治めるのは貴族ではなく領主と言う事になったのだ。

だから領主は領地に引っ込んで領地を管理するのが一番の役割になった。

王都に屋敷を構えていても大きな夜会や社交などは無くなってお茶会や小さな身内のパーテイがあるくらいだ。

身分が無くなった貴族たちの国への不満が反乱を招くことになるかも知れないと危惧されたが、貴族たちは社交や政治的な駆け引きに疲弊していたのだ。

シーズンごとに毎年ドレスや宝石を買う必要もなく見栄を張る必要もなくなった。

貴族達は領地を守り良き差配をすれば領地は富み自分の暮らしも楽になるのだ。

そしてそういう領地経営に面白みを見出していった。

当時の国王は先見の明があったのだろう。上手に貴族達を領地経営で競争させることに成功した。

女性のドレスも簡素になりコルセットも無駄に布の多い服もすたれて、動きやすい服を皆好んで着るようになり、女性の社会進出も進んだのだ。

女性が仕事を持って働く事が受け入れられて、文官や事務官に女性が登用されるようになり、彼女たちの細やかな心遣いや丁寧な仕事が評価されるようになってきた。

そして、官僚にも任命される女傑も現れた。

商売も女性の目線で運営して成功している商会も多い。

そんな国に暮らしていたサオリーナは貴族や王族がどんなものかあまりよくわかっていなかった。

でも元来前向きであまり細かい事を考えて気に病む性格ではなかったので、ルカの国サボイアリ王国に行く決心ができたのだろう。

とにかく行ってみなくては分からない。もう逃げるのはやめにしよう。

ルカの隣でルーカスと一緒に生きて行く為に、自分のできる事をやってみようとサオリーナは気持ちを切り替えた。