王子様を助けたら子供を授かり溺愛されてどこまでも追いかけてくる件

しかしその後サオリーナの行方は杳として知れなかった。

すでにサオリーナと別れてから1年半が過ぎた。しかしルカは諦めてはいなかった。

サオリーナはルカの運命の人なのだ。だから絶対にまた会える。

そう信じてこの1年公務にも手を抜かず、時間を作ってはサオリーナの捜索にも関わってきたのだ。

その傍らルカは公爵に降下して王都の郊外で裏に林がある敷地を購入して屋敷を完成させた。

サオリーナの調剤室や隣には薬屋も開けるように土地を開けてある。

サオリーナがそうしたいならできるようにあらゆる可能性を考えて広い敷地を持つ屋敷を作ったのだ。

庭も広く薬草畑もフォブル村の家の倍の広さの薬草畑があり、花を植えるより先に庭師に言って薬草畑を整備してもらった。

もちろん調理室はサオリーナ用と屋敷のシェフ用に二つ作ってある。

いつサオリーナが来てもいいように、ルカは心を込めて屋敷を建立したのだ。

ルカは裏手に広がる林を歩きながらシャリの木はないかと探していた。

捜し歩いていたが、こんなに沢山の木ばっかりではどれがどれかわからないと苦笑しながら、屋敷に戻ろうとしてはっと気が付いた。

“木を隠すなら森の中“いつか何の話をしたときかは忘れたが、サオリーナが言った言葉を思い出した。

それなら人を隠すなら最も人が多いところだ。ルカはすぐにヨンを呼び寄せた。

2日ほど前にヨンが隣国から帰ってきたのを知っていたので今は王宮にいるはずだ。

ヨンが急いでやってくると

「ヨン、王都だ。リーナはきっと王都にいる。早朝の船は王都が最終寄港地だったはずだ」

「そうです。でもなぜ王都だと…」

「木を隠すなら森の中だ。僕も行く。きっとリーナは王都にいる。王都は広くて人も多い。だから王都に居るはずだ。」