王子様を助けたら子供を授かり溺愛されてどこまでも追いかけてくる件

ルカは国王夫妻に第3王子の放った暗殺者に背中を切られて、崖下の川に落ちて流されて行った事、そしてサオリーナに命を助けてもらった事から、記憶を無くしていた事も含めて順に話をしていった。

ルカがサオリーナと一緒にいることがどんなに幸せだったのか,3人でカフェをやり始めてどれだけ充実していて楽しかったのか話して聞かせた。

でも、サオリーナはここに連れてくるわけにはいかない。彼女の翼を折ってしまう事はしたくない。

だから僕をサオリーナの所に行かせてほしいのだと懇願した。

でも、先日王宮を抜け出してフォブル村に行ってみたら彼女はそこに居なかった。ヨンが余計なことをしてサオリーナを去らせてしまったのだ。

でも、絶対に見つけ出す。だからどうか僕はあの時弟の刺客に切られて川に落ちて死んだ事にして欲しいと、床に手をついて頭を床にこすりつけて頼むルカに、国王夫妻は掛ける言葉がなかった。

「ルカは、この国を見捨てると言うのだな。民も親も兄弟も見捨てると言うのだな」

「兄弟で殺し合いをさせたのはだれの責任なんです。王太子の座を巡って醜い争いをしたのはあなたたちの子供ではありませんか?僕も本当にあの時サオリーナに会わなければ死んでいたんです。彼女がいなければ死んでいたんですよ。彼女にもらったこの命を彼女に捧げるただそれだけの事です」

「では彼女にここに来てもらえ。そうしてお前を支えて王妃としてこの国を治めてもらえばいいだろう」

「だから、彼女はこんな窮屈な王宮に居る人ではないんです。自由に町の人の中で人々の為に生きていく人なんです。僕はそんな彼女の側に居て支えてあげたいんです。僕を支えてもらうのではなく僕が支えたいのです」

「ではこの国はどうなるのだ。優秀なお前が王になるのがこの国の為には一番いいんだ」

「ボルドがいるじゃないですか。彼なら父上の後を任せるに足る王子ですよ」

「だがあいつはまだ16歳じゃ」

「あと1年したら17歳になりますよね。国王としての教育も今から始めればボルドなら大丈夫ですよ。とても優秀なんですから18になって成人したら王太子として指名して戴冠してやってください」

「おいボルド、ルカがこう言っておるぞ、お前はどうなんだ」