王子様を助けたら子供を授かり溺愛されてどこまでも追いかけてくる件

「ヨン、お前!殺してやる。リーナをどこにやった。死にたくなければさっさとリーナの居場所を言うんだな」

そう言うと、ヨンの腰から剣を引き抜いて首筋に充てる。10人ほどの騎士達は息をのみ皆一斉に両手をついて蹲った、

「殿下、お願いです。どうか、どうか気をお鎮めになってください。副団長から理由を、理由をお聞きください。何か事情があるのです。どうかお願いします」

そう言ったのはジョージアだ。

「お前、リーナのもとに残したやつだな。お前から聞こう。知ってる事を話せ。俺はリーナに必ず帰ってくるから待っていてくれと言ったんだ。手紙も毎日書いたのに,一通も返事が来なかった。手紙は届いていたのか?」

「いいえ、殿下からは手紙は届いていません。サオリーナ様も毎日手紙を書いていらっしゃいましたが、それも届いていなかったのですね」

「ああ、一通もな…ヨンお前の仕業か」

ルカは首筋に充てた剣に力を込める。ツーっと一筋ヨンの首筋に赤い血が流れた。

「殿下、どうぞお願いです。刀を置いてください」

騎士たちの懇願の声がルカの気持ちを逆なでする

「いいえ、それで殿下の気が済むなら私の首など飛んでも構いません。どうぞ私の事が憎いでしょう。殿下にお預けした命です。どうとして頂いても悔いなんかありません」

ヨンはそう言うと目をつむって毅然と立ち尽くしていた。

ジョージアは何とか殿下に冷静になってもらおうと必死に自分の知っているサオリーナの事を話した

「サオリーナ様は殿下が去った後2週間くらいした時に体調を崩されました。カレーのにおいが鼻について食欲がないと言って何度も吐かれていました。だんだんやつれていってみて居られませんでした。そして、俺に殿下には内緒で副団長を呼ぶように言ったのです。その頃から店は閉めてしまわれました。だからその後の事はよくわからないのですが、副団長が来てくださってから10日ほどした頃、この店は今の人のものになっていて、その後サオリーナ様のお姿は見ていません。ある日朝早く馬車で出て行ってしまわれたようです」