王子様を助けたら子供を授かり溺愛されてどこまでも追いかけてくる件

そのころサボイアリ王国の王宮の自室でルカはやるせない日々を過ごしていた。

父王に自分には愛する人がいるので王位を継ぐ気持ちは全くないと帰ってきてすぐに告げたにもかかわらず、誰も取り合ってくれない。それ以降は会ってくれようともしないのだ。

その上今日はどこそこの令嬢とお茶会だとか何度も予定をたてられているが、一度も出席したことはない。

一度母上に二人でよく話しましょうと言われ、サオリーナの事をわかってもらおうと中庭の四阿に行ってみるとそこには着飾った香水をぷんぷん匂わせた令嬢がすました顔で座っていた。

ルカはすぐに回れ右をして自室に帰って来てカギをかけた。

これではいつまでたっても誰も話を聞いてくれない。

王宮から抜け出そうとしてもヨンがいつもドア張り付いていて、窓にはいつのまにか鉄格子がつけられていた。

だから今はドアしか出入りできるところはない。ここはまるで牢のようだ。軟禁状態なのだ。

ルカは両親と話し合う事は諦めてとにかくサオリーナに会いに行かなければと焦燥感に駆られているのだ。

毎日出しているサオリーナへの手紙にも返事は届かない。サオリーナに届いているのかも定かではない。

すぐに帰ってくるとサオリーナと約束したのにもう3ケ月以上経ってしまった。

フォブル村に行く為になんとしてもここから抜け出して見せる。

そしてルカは浴室の天井に湿気抜きの格子がある事に気付き、それを外して自身が通り抜けられるように周りを切り取って夜のうちに天井裏を勘を頼りに這いずり回り明かりが見えた天井裏の格子を除くとそこは侍女たちの風呂場だった。

誰もいないことを確かめて格子を外し天井を少し切り下に飛び降りた。

そうして窓から外に出ようとしたら、裸で入ってきた次女と目が合った。

当然すごい悲鳴が上がったが、そんな事には頓着せず窓から1階下のバルコニーに飛び移りそれを何度か繰り返して中庭に降り立った。