王子様を助けたら子供を授かり溺愛されてどこまでも追いかけてくる件

サオリーナとルカにとってとても幸せな日々が1ケ月も続いた時、隣国の近衛騎士でヨハンゼリスキー・グリシャム・バロッテンという一度では覚えられない長い名前の騎士が部下を5名を連れて“リコーニカフェ“に訪れた。

「このカフェの主にお会いしたい」

ちょうど昼が終わった所で皆ひと息ついている時だった。マリアが慌てて調理室に駆け込んだ。

「リーヌ、り、り、隣国の騎士が…」

「何よ、り、り、り、って、どうしたの?」

「とにかくきて」

とリーヌを引っ張っていく。店に入ると白い上着に金糸で刺繍を施された立派な身なりの騎士が背筋をピンと伸ばして立っていた。

そして、サオリーナを通り越してその後ろの方を見て

「殿下、お探し申しておりました」

と震える声で言うと、片膝を立てて跪き首を垂れた、後ろに控えていた騎士たちも同じように口々に“殿下“と叫んで跪いている。

彼らの目の先にはルカがいた。 ルカは

「こんな所で迷惑だろう。リーナを奥を借りていいか?」

とサオリーナに許可を得た。サオリーナは言葉が出ずにうんうんと頷いた。

今店には客はいないのでとにかく今日は店を閉める事にした。マリアと手伝いのベラと共に閉店の準備をして調理室も洗い物や片づけを三人でする。

今日のケーキは日持ちしないのでベラに5個持って帰ってもらい。マリアとサオリーナでひとつづつ食べてルカたちにも紅茶と一緒に出すことにした。

ダイニングにはルカとヨハン何タラという長い名前の騎士が向かい合って座りほかの5人の騎士はヨハン…の後ろに立っている。

サオリーナとマリアは7人分の紅茶とケーキをテーブルに並べた。

「皆遠慮なくいただけ美味いぞ、リーナのスイーツは一度食べたら癖になるんだ。リーナありがとう」

そういうと蕩けるような眼差しでリーナを見つめると食べ始めた。

「殿下、お毒見を」

と一人の騎士が言ったがルカはうるさそうに”必要ない”と言ってさっさと食べ始めた。

前に座っている騎士も皆に

「じゃあ遠慮なくいただきます。お前たちもせっかくだいただけ」

それからは美味いと言う声とこんなスイーツ初めて食べたと言う感動の声が飛び交った。