王子様を助けたら子供を授かり溺愛されてどこまでも追いかけてくる件

「ルカ、体調はどう?まだ顔色が悪いわね」

「熱はもうないみたいだけど、まだ体がふらふらする。こんなに沢山用意してもらってありがたいけれど、食べられるかどうかわからない」

サオリーナはルカの側に来て額に手を当てた。水仕事をしていたようでひんやりとした手が気持ちいいと感じた。

すると体の中の腹の真ん中あたりから温かい何かが巡っていく様で、気分がずいぶんよくなった。不思議な感覚に戸惑った。

するとサオリーヌと一緒にいた女性が、

「リーナ…」と責めるように言葉を発した。

「どうせわかる事だもの、彼を信じるしかないわ」

サオリーナはそう言うとその女性がマリアという名前で、通いで食堂や薬屋の手伝いに来てくれているのだと教えてくれた。

マリアは、少し照れたような様子でルカを見ると、何も言わずに頭を下げてくれた。

「マリアさん、僕はルカと言います。昨日サオリーナさんに助けてもらったようなんだけれど自分の名前くらいしか覚えてなくて…」

「話はあとにして温かいうちに食事にしましょう」

サオリーナはそう言うと、マリアを促してテーブルに着かせて三人で食事をとる。

料理はチーズや野菜が入ったふわふわのオムレツに野菜たっぷりのスープが今まで食したことがないような味付けの何とも言えず美味しい物だった。

オムレツに添えられたサラダに掛かったドレッシングもニンジンをすりおろして作ったような甘酸っぱい味が絶品だった。

ルカは目を丸くして、

「こんなおいしい朝食を食べたことがない。このスープはどんな味付けをしたらこんな味になるんだ?」

独り言のように呟いたルカの言葉を、前に座る二人はにこにことして聞いていた。

結局ルカは食事を完食してパンもお代わりして柔らかいバターロールというパンを、4個も食べてしまった。

「でしょう?リーナの作るお料理はこの国一番いいえ世界一美味しいのよ。私なんかここで働くようになって5キロも太ってしまったの。今ではここに来る前に来ていた服が全然入らなくて、リーナのおさがりを少し直さないと入らないのよ。ルカさんも気を付けてね。ここに居る間はしっかり体を動かさないとぶくぶく叔父さんになってしまうわよ」

そう言って笑っている。

えっ、叔父さんか!確かにマリアから見たら俺はおじさんになるのか…ちょっと傷ついた。