王子様を助けたら子供を授かり溺愛されてどこまでも追いかけてくる件

その夜遅くに、彼は目を開けた。

彼は目を開けて自分がどこに居るかわからず、見覚えのない天井をじっと見つめていた。

「気が付いた?川に流れ着いていたところを見つけて連れてきたの、私は薬師なので熱冷ましの薬と回復薬を飲ませたの。少し熱は下がったみたいだけどまだ熱はあるから、スープを飲んだらもう一度薬を飲んで眠ったほうが良いわ」

横のベットに座って縫物をしている女性がそう言って、部屋を出て行った。とても可愛い顔をしていた。

自分よりは年下のような感じだが、自分は何歳なのだっけ?

しばらくしてトレイにスープと柔らかいパンを乗せて部屋に戻ってきた。

「お腹が空いてるでしょう。少し体を起こせる?」

そう言ってベットに座るのを手伝ってくれた。後ろにクッションをたくさん置いてくれて、トレイは膝の上に置かれた。
スープを一口食べるとあまりに美味しくて、なぜか泣きそうになった。

「美味しい」そう言うのがやっとだった。

「よかった。食堂をやってたので料理は得意なのよ」

柔らかく笑った顔が天使のようだと思った。

パンも美味しかった。

彼女はサオリーナと名乗ったが、自分の名前はルカとしか思い出せなかった。もっと長い名前のはずだったのだが…

「僕はルカ、でもその他の事は何も思い出せないんだ。高い崖から背中を切られて川に落ちたと思っていたんだが、背中に傷はないから訳が分からない」

「えっ、住んでた所も帰る場所も覚えてないの?」

「うん、そうみたいだ」

「でも金髪のような髪に青い瞳はこの国の人ではないと思うの。隣国のサボイアリ王国の人じゃないのかな」

「ここはオルカイ帝国って事?」

「うんそれは分かるのね」

「そうだな。自分が何を忘れていて何を覚えているかよくわからない。混乱している」

「取り敢えず眠ったほうが良いわ。夜に考え事してもいい考えは浮かばないし、明日明るい時に考えましょう。名前が分かっただけでもよかったわ、ルカ」

そう言うとサオリーナは水を持ってきて薬を飲むように言った。

ルカは薬を飲んでお腹が膨れたこともあり眠くなってあっという間に眠ってしまった。