柊くんは絶対に嫉妬なんかしません!

❁⃘*.゚


柊くんとぎこちなくなってしまってから意外とすぐに時間は過ぎて、今日新学期を迎えた。

柊くんとは、辛うじてLIMEでおはようとおやすみのメッセージは送りあっているけれど、学校では目を合わせるどころか話だって全くしなかった。〝別れた?〟と周りに噂されるほど。


まあそんな噂もそろそろ本当になっちゃいそうな気がするけど…。

なんて重苦しい気持ちの中、下駄箱でスリッパに履き替えていると、後ろからポンっと肩を叩かれた。


「まーつり!おはよ!…やば顔」
「ひどくない?」


私の顔を見るなり、うわっと表情を歪める千春。


「いやごめん。最近ずっとそんな顔ではあったけど春休み明けに改めて見るとやばくて」
「どんな顔よ」
「大クマお化け」
「ひどくない?」



確かに自覚はあったけれど、そんなにひどいクマできてたのか。柊くんと更にぎこちなくなってから、不安でなかなか寝付けない日々が続いている。いつ別れを切り出されるか…気が気ではない。


「まあとりあえず、新しいクラスで柊くんと一緒だといいね」
「…うん、せめてね…」


なんて、会話をしていたせいか。神様は私の味方をしてはくれなかった。私はクラス発表の掲示板の前でただ呆然とした。


「うそ…離れた…」


そう静かに呟いた私の肩を千春が静かに抱いてくる。
今年も千春と同じクラスになれたのが運の尽きだ。


「大丈夫、来年がある」
「遠い未来すぎる」


このまま柊くんと自然消滅してしまうんじゃ…と肩を落としながら掲示板から離れようとした時、右腕の制服を軽く引っ張られ反射的にそちらへ顔を向けた。


「まつりちゃん!」
「ゆ、柚くん」


そこにはキラキラと目を輝かせながら私を見る柚くんの姿があった。なんだろう、犬みたい。しっぽ振ってるのが見えちゃう。


「俺たち同じクラスだねー?!めっちゃうれし!!そーいちとは離れたけど。な?残念だな、そーいちくんよ」


そーいち…柊くん!?人混みがすごいせいなのと、ちょうど私の死角にいたせいなのもあって、柚くんの声で柊くんがいる事に気づく。