柊くんは絶対に嫉妬なんかしません!



「柚くんって呼んでも柊くんは気になんないのかなー、なんて…思ったり…しなかったり…」


気になるわけない。なのに、なんでわざわざ傷つきに行くようなこと聞いちゃうんだろう。
柊くんの方を真っ直ぐ見ることができなくて、ただ薄っぺらい笑顔を貼り付けながら、足元を見ていた。


「…別に。森野の好きにしたらいいんじゃね」


わかっていた。わかっていたけれど。


「あーはは!そりゃそう!ごめんね、変なこと聞いてしまって。」
「もり」


私は出かかっていた柊くんの声に被せるようにして、両手をパンっと叩いた。


「ごめん、今日バイトだった!先帰るねごめんね」


バイトなんて、嘘。ただ隣を歩く余裕が無かっただけ。
私は柊くんに振り向くことなく、ただ走った。
絶対、絶対好かれてない。


その日から、私は柊くんと目を合わすことが出来なくなった。


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