柊くんは絶対に嫉妬なんかしません!

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んなこんなで千春様の圧には勝てず、LIMEで〝今日、一緒に帰れる?〟なんてメッセージを送ったら、まさかの〝わかった〟とのご承諾が。

そうと決まった瞬間、放課後までは気が気じゃなく、全く持って授業に身が入らなかった。

最後の授業が終わり、千春は満足そうに微笑みながら私に目配せをしたあと、颯爽と教室を出ていった。


「(千春〜〜行かないで〜〜)」


なんて心の中で泣き叫んでいた矢先、後ろに人の気配を感じて振り向いた。


「…っわ、柊くん」


まさかもう近くに来てくれているとは思わず驚く。私より頭2個分ほど大きい柊くんは、私を見下ろすようにして無表情で立っていた。


「帰んぞ」
「うっ、うん」


そう言ってスタスタ歩き始めた柊くんの後ろを早歩きで着いていく。身長に差がある分、歩幅が違いすぎる。なんとか着いていこうと足を進める私のことを、柊くんは一度も振り返って確認しようとはしてくれない。

しかも、今かなり女子たちからの視線が痛い。モテる柊くんの事だ。悪意のある女子たちの目線が怖くて、私は下を見ながら廊下を急いだ。


と、その時。


「…った、」


おでこに硬いものがあたり、それが柊くんの背中だと分かったのはすぐ後だった。