前世王子アイドルグループ~僕たちは君の一番星になりたい☆。.:*・゜

 エンタメ特別放送部、プリレボグループ活動、個人活動、ルミナイとのコラボ、さらにネット配信活動も増え、毎日充実して楽しい日々を過ごしていた。

 コラボ企画の視聴者投票での優勝チームは、そたくんとアラシくんのチームだった。結局ふたりだけで旅行に行くのではなく、みんな家族枠だね!ということになり、リーダーたちの説得のお陰で、みんなで旅行に行くことに。

しかもメンバーの家族も自由参加になり、撮影はメンバーだけで行われるものの、団体旅行となった。ちなみに旅行はみんなのスケジュールが今年は合わず、来年に行われる。僕はもう、今からワクワクルンルンしている。

* 

 そして年末がやって来た!

「今日は、ときめきらきらボーイズグループ年末ライブに来てくれて、ありがとうございます! 一年の最後の日をみんなと過ごせてうれしいな! プリレボ初主催の、ボーイズグループが十二組、総勢五十二人の星たちが出演するライブが、今、スタートするよ!」

 そたくんの挨拶が終わると、最近新しくできた十万人のお客さんが入ることのできる会場で、今、ライブが開演した。大きなスクリーンがたくさんあるし、すごく豪華なライブ会場だ。さらに有料の人気サイトでも同時配信なので、世界のみんなが僕たちを観ることができる。

 毎回だけど、たくさんの人たちに観られるライブはドキドキする。僕は深呼吸をいっぱいした。今回の始まりは、みんなと位置が離れていて、今ひとりでいるから余計に緊張してくる。しかも今回は僕がオープニングの演出をしたから、反応も気になりすぎる。

ああ、でも、もしかしたら、みんなも緊張してるかもしれないなぁ。

 僕はいつもみんなからしてもらうように、ひとりひとりにエネルギーを渡している妄想をしながら待機した。

 開始のブザー音が鳴る。
 観客席のざわめきは静かになる。
 そして、ライブ会場に今、カラフルな光が溢れ出した。

 パワーアップした各前世の衣装を着たプリレボメンバーがステージ以外の色々なところからスポットライトを浴びながら現れ、曲が始まる。

~♪

僕たちの前世は
一度もすれ違うこともなく
バラバラな場所で過ごしていたんだ、
と思っていた

 そたくんは上を見上げた。

だけど違った
実は前世で出会っていて
同じ船に乗っていた

 下を向いていたれんくんは前を向く。

それだけではない
将来、革命を起こそうと
あの時五人は永遠の約束をした

 しーおんくんは両手の小指を絡ませる。

そして今日は約束の、
革命を起こす日。
みんなは、どこ?

 みずっきくんはキョロキョロしてみんなを探す。

「あっ、いた!」

 僕は指をさす。

「「今から僕たちは実行します! アイドル世界の革命を!」」

 全員が胸に手を当てそう言うと、メンバーは真ん中のステージへ走り出す。

 巨大なスクリーンには

『ときめきらきらボーイズグループ年末ライブ』

の文字が浮かび上がる。

 ボーイズグループが色々なところにグループごとに出てきて、全員でのダンスが始まった。大きな歓声が会場を包み込む。

――すごい! 今までで聞いたことがないくらいの歓声!

 プリレボで浴びていた歓声が最高のものだと思っていたのにな……。

 アイドル世界の無限の可能性を感じた。

 裏に行く時、そたくんが小声で話しかけてきた。

「さっき、始まる前にひとりでいる時、エネルギーをいつきんがくれた気がしたんだけど、送ってくれた?」
「あっ、はい。送りました」

「やっぱり! 大人数のライブ初主催だから緊張して手が震えていたけれど、お陰で緊張おさまったよ、ありがとう!」

「こちらこそいつもエネルギーをありがとうございます!」
「ふふっ、今日は楽しもうね」

 そたくんは僕の背中を叩いて、エネルギーをくれた。

 ライブは、各グループごとの曲はもちろん、グループメンバー内でのユニット曲、そしてその日限定のボーイズグループシャッフルユニットもお披露目された。

 ライブは進んでいく。ライブの中盤、盛り上がりがすごくて熱気がすごい中、僕たちのボーイズグループシャッフルユニットの番がやってきた。初お披露目でドキドキがおさまらない。

スクリーンには
『ユニット名 世界ふわふわプロジェクト メンバー、いつきん、みずっき、ショウ』という文字と、ショウくんが描いてくれたふわふわわたあめみたいな衣装を着ている三人のミニキャライラストが。

 そして、イラストと同じような衣装を着ている僕たちが前方のステージに登場した。

 可愛い!と熱い声援をくれるお客さんたち。その声を浴びると緊張は解れ、自然と自分の中で一番可愛いと思えるキュルンとした表情に変わる。

~♪

わたあめ、わたげ、ぼくたちふわふわ
おそらのくも、マシュマロも、やっぱりぼくたち
ふわふわ ふわふわ みんなでふわふわ~!

今回はみずっきくんが僕たちの可愛いを全面にアピールしようと気合を入れて作った歌。ダンスも覚えやすくて可愛いから、後に子どもたちにも人気になると確信した曲。

 シャッフルユニットは、しーおんくんは不思議キャラのメンバーを集めたユニットを組み、最後まで不思議な曲を披露した。

れんくんは、僕には出来ないバク転や手だけを使ってグルグルしたりするのを軽々出来る、ダンスがとても上手いハヤトくんたちとダンスを披露した。

そたくんは王子系のユニットで今までに見たことない大人の恋の歌を披露した。

 最後まで僕にとってもたまらないライブだった。

 そしてラストは全員ステージ上へ。

 そたくんとアラシくんが中心に立ち、左にはプリレボが、右にはルミナイが並ぶ。ふたつのグループを囲むように端と後ろに残りのグループが立った。

「正直、プリレボのことが嫌いだった……」

「えっ、いきなり暗い話?」

 アラシくんとそたくんがトークを始める。

「いや、ちがくて……嫌いだった。だけど一緒に企画やって、こうやってライブもやって、知らなかったプリレボの部分を知っていったら、嫌いじゃなくなった。好きになったんだよ!!」

 アラシくんが叫ぶと会場も「キャー」と盛り上がる。僕もひっそりと心の中で大盛り上がり。

「なんかさ、前はすれ違う時、たまに睨みあったりしていたよね。だけどさ、自分たちは普段はライバルだけど、ライバルだけではないんだよ。同じところで頑張っている、数少ない貴重な仲間。お互いにどんな時に悔しいか、どんな時に悲しくなるか、そしてどんな時に嬉しくなるかを分かち合えるし、だから深い心の部分で寄り添えたりもする」

「今まで、ただのライバルだっただけの時間がなんか、もったいなかったな! 俺は……俺らは、今回、この場所を作ってくれたプリレボに心から感謝する!」

「あらたまって、なんだよ。照れるなぁ!」

 そたくんはそう言うと一瞬こっちを見て微笑んだ。僕もつられてそたくんを見て微笑んだ。

「こういうの、今回だけで終わらすのはもったいないよな。もったいないと思う人は手を挙げろ!」

 アラシくんが言うと、ステージ上のみんなはもちろん、観客席のみんなもペンライトを振りながら手を挙げているのをアピールしてくれた。

「じゃあ、来年もここで会おうよ! 来年はもっとレベルアップしたライブをお見せ出来るように頑張るから、みんなも心も身体も元気でいてね! それでは、今年のライブの終わりの時間がやって来ました。みんなで、せ~の! 今日は本当に」

「「ありがとうございました~!!」」

 そうしてプリレボ初主催のライブは幕を閉じた。

*

 最高の年末は終わった。
 そして次の新しい一年が始まった。

 
「わぁ、僕、大吉だよ!」

 みずっきくんは喜びながらぐるぐる回っていた。

 今日は、朝早くからみんなと一緒に神社へ来ていた。

「朝日って眩しいよね、なんでだろう~」と、朝に弱いしーおんくんがぼんやりしながら呟いた。

「昼の方が眩しいと思うけど?」
「いや、朝の方が……」

 そたくんとしーおんくんの会話を聞きながら、れんくんは「ふっ」と微笑んだ。

 僕は四人を見て胸がキュンとなった。

 なぜ今ここにいるのかというと、昨日、ライブが終わった後の控え室で僕はプリレボのみんなに「明日みんなで初詣へ行きませんか?」と誘ったのだ。


 みんなでお参りもした。
 みんなは何を神様に報告したり願ったりしたのかな? 

僕は

――プリレボの活動がとても幸せです。ありがとうございます! これからも頑張りますので、プリレボのみんなとずっと一緒にいられますように! そして、もっともっとプリレボが輝けるように、アイドル世界ももっと盛り上がりますように!

と、願った。


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