前世王子アイドルグループ~僕たちは君の一番星になりたい☆。.:*・゜

 入学式。桜の花びらや春色の風がそよそよ舞っている。その中で、今日から通う中学校『王ノ宮学園』の生徒たちは、朝からざわめいていた。

 今話題の、前世に各界隈の王子や仙人だったアイドルたちが集まったグループ、プリンスレボ︎リューションレインボー、略して【プリレボ☆レインボー】のメンバーもいたからだ。しかも四人全員。

 四人の周りの空気は明るく、舞っている花びらと共に彼らの周りにだけラメのような輝く粒も舞い降りている気がした。

 彼らは堂々と真ん中を歩き、玄関に向かっていた。

 きらめき、まぶしすぎて直視できない……。

 僕は広げた手のひらを四人に向け、彼らから降り注いでいる光を避けながら、だけど気になるから指の隙間からチラ見しながら、何とか校舎に入っていく。

 あらためて思うのだけど、前世が王子や仙人って……前世からかっこいいな。

 ちなみに前世とは――少しむずかしい話になるのだけど、見えないたましいは体が滅びてもずっと生きていて、体がなくなると新しい体の中にたましいが入り、生まれ変わる。つまり前世とは、生まれ変わる前の人生のことだ。

 まさか、五クラスあるのだから四人と同じクラスになるなんてことは、絶対にないと思っていたのに――なんと彼らと同じクラスになった。

 同じ空間にいることを想像するだけで緊張して僕の胸の鼓動は早くなる。

「それでは、自己紹介をしていきましょう」

 クラスの担任、執事のような雰囲気の山口先生が言った。

 一番初めに立ち上がったのは、廊下側一番前に座っている、出席番号一番の前世が中華風王子だった、れんくんだ。

「赤羽 蓮(あかはねれん)です。よろしく。オーラカラーはレッドです」

れんくんはツンとし、周りに媚びない感じに名前を名乗った。ハーフアップしてある長くてさらさらした赤い髪の毛がよく似合う。そして凛とした顔と態度が美しい。

 あぁ、れんくんのリアルな自己紹介。これは、夢かな? 憧れている人たち全員が僕と同じ制服を着て、同じ教室にいる。夢でなければ、ドラマの撮影かな。

 続いて前世が人魚王子のみずっきが立ち上がる。

「海川 瑞希(うみかわみずき)、みずっきです。あぁ、自己紹介緊張して泣きそう……」

 髪の色と同じな、みずっきくんの青色の瞳がウルウルしてきて、彼はうつむく。すると「頑張って!」「大丈夫だよ」と、たくさんの声が教室内で飛び交う。みずっきは泣き虫で頑張り屋さんで、とても応援したくなるアイドル。僕も心の中でずっと、もちろん今も応援していた。

「うん、頑張る。みんな、ありがとう! 僕は僕に生まれる前は人魚だったから、泳ぐのが好きだよ。オーラカラーはブルー。よろしくです」

 自分のことではないけれど、まるで自分のことのような気持ちになり、みずっきくんが上手く言えてホッとした。

 そして洋風王子、そたくんの順番が来た。

「名前は黄木 颯太(おうきそた)だよ。みんな、仲良くしてね! オーラカラーはイエロー。よろしく」

 そたくんが全員に向かって軽く微笑むとキャーとざわめき「かっこいい」「イケメン」と、黄色い声が教室の中で響いた。そたくんが笑顔で首を傾けると、フワッとした金色の髪が揺れた。そたくんはいるだけで周りが華やかなになる。

 順番に自己紹介が進んでいく。きちんと他の人の自己紹介も聞きたいけれど、順番が近づいてくると緊張してきたからなのか、きちんと聞けているのか分からなくなってきた。とうとう僕の順番が来た。正直、人前で話すのはあんまり得意ではない。

ふぅっと深呼吸すると立ち上がった。

「葉月 樹(はづきいつき)です。最近は、色々な国の街の映像などを見て、その世界に入った気持ちになるのが好きです。よろしくお願いします」

 自分の順番が終わると緊張の糸がほぐれて、他のクラスメイトの自己紹介に集中できるようになった。視線を感じて洋風王子のそたくんと目が合うと、微笑まれた。何故か慌てて目をぷいっとそらしてしまった。僕、今、感じ悪かったかな?

そして、宇宙人王子のしーおんくんの番が来た。しーおんくんは銀色で肩ぐらいまで伸びている髪の毛がいつもキラキラと輝いている。独特な雰囲気で、グループ内でも〝不思議くん〟と、言われていた。

「星野 紫音(ほしのしおん)です。夜空を眺めるのが好き。オーラカラーはパープル」

 本当に憧れのメンバーたちと同じクラスなのか。何だか夢みたいで――僕は空想の、現実ではない世界に迷い込んでしまったのか? 

 だけどきっと、同じクラスになっても関わることはないのかな?って。

 そう思っていたのに――。