ベッドの隣は、昨日と違う人

20話 それぞれの通知






土曜の朝。
目を開けた瞬間、スマホを探してしまう自分に小さくため息が出た。

昨日は遅くなって、そのまま眠ってしまった。
画面には通知はない。わかってるのに、確認してしまう。

みいなは布団の中で少し迷ってから、LINEを開いた。

📱
「昨日はごめんね。
家帰ったの遅くて、全然スマホ見れてなかった……」

送信。
既読がつくのは、思ったより早かった。


(……あ、見てはいるんだ)

でも、それだけ。
返事は来ない。

洗濯機を回して、簡単に朝ごはんを食べて、軽く掃除しても、スマホは静かなままだった。
午後になっても、夜になっても。

(この人、土日はほんと連絡こないよね……)

前にも同じことを思ったはずなのに、また少し胸の奥がざらつく。
期待してしまった分だけ、勝手に落ち込む。

日曜も、通知は鳴らなかった。



週明け。
月曜の朝、身支度をしているとスマホが震えた。

📱
「おはよう
ほんとだよ、金曜さみしかったわ~」

一拍置いて、続けて。

📱
「ね、今週どっかでまた会えない?
予定わかったら連絡するから」

画面を見つめたまま、みいなは少し動けなくなる。

(……今週、か)

すぐに返事をしたら、また流される気がした。
でも、返さなかったら、それで終わってしまいそうな気もする。

📱
「うん……わかった」

短く送って、スマホを伏せた。

(会いたいのかなぁ、わたし)

自分でも答えがはっきりしない。




その日の夕方。
仕事が一段落したころ、今度は別の通知が鳴った。

📱大地
「みいな、今週日曜空いてねぇ?
スーツ、買いに行こうと思って」

胸の奥の重さが、少しだけほどける。

📱
「うん、空いてるよー
行きたいお店の近くで待ち合わせしよっか」

📱大地
「オッケー👌」

画面を閉じて、みいなは小さく息を吐いた。

(なんでだろ。
大地のLINEは、ちゃんと地面に足がつく感じする)

比べるつもりはないのに、比べてしまう自分がいる。

今週は、誰と、どんな時間を過ごすんだろう。
その先に何があるのかは、まだわからない。

でも少なくとも――
流されるだけの週には、したくなかった。