14話 二次会のお誘い
「あ、ねぇみいなさ……」
マグカップを置いた美咲が、少しだけ声のトーンを落とした。
「わたしの結婚式、2次会も来てくれるって言ってたじゃん?」
「うん」
「でもね、クリニックの人たち、結婚式までで帰るでしょ。
2次会、友達いないーって不安そうだったじゃん?」
「……うん、そうだね」
みいなは曖昧に頷く。
「でさ」
美咲は一瞬間を置いてから、にっと笑った。
「大地くん、呼んで一緒に来てくれない?」
「ええ?」
思わず声が上ずった。
「いやいや、大地って関係ないじゃん。
わたしの友達だけど、美咲と直接関係ないし……」
「関係なくないよ」
美咲は即答した。
「だって、一応わたしとも面識あるし」
「それはそうだけど……」
みいなは言葉に詰まる。
頭の中に浮かんだのは、大地の顔。
あの落ち着いた目と、余計なことを言わない距離感。
「それにさ」
美咲は身を乗り出して続けた。
「海外だと普通に“パートナー同伴”とかあるじゃん。別に恋人じゃなくてもいいのよ」
「パートナーって……」
その言葉が、少しだけ胸に引っかかった。
「まぁまぁ」
美咲は軽く手を振る。
「深く考えなくていいから。
2人でさ、わたしの幸せ絶頂の姿でも見てよ」
「……雑な誘い方」
みいなが苦笑すると、美咲も笑った。
「雑だけど本音」
少しだけ真面目な表情になる。
「ね、正直さ。
みいなが1人で来るより、大地くんと一緒のほうが安心するの」
「安心?」
「うん。変な男連れてくるより、百倍」
その一言に、みいなは息を詰まらせた。
(……変な男)
言葉にされなくても、拓也の顔が浮かぶ。
「大地くんってさ」
美咲はマグカップのふちを指でなぞりながら続けた。
「みいなのこと、雑に扱わない感じするんだよね」
「……そう、かな」
「そうだよ。
雑に扱わない男って、だいたい一貫してる」
みいなは返事をせず、グラスの中の氷を見る。
カラン、と小さな音が鳴った。
「まぁ、今すぐどうこうじゃなくていいからさ」
美咲はふっと明るい声に戻る。
「2次会、付き添いってことで。ね?」
「……考えとく」
その返事に、美咲は満足そうに頷いた。
「うん、それでいい。
考えるって言葉が出た時点で、もう一歩進んでるから」
みいなは苦笑しながら、心のどこかが静かにざわつくのを感じていた。
(大地と、2次会……)
想像すると、なぜか落ち着く。
でもその“落ち着き”が何を意味するのか、まだ名前をつけたくなかった。
「あ、ねぇみいなさ……」
マグカップを置いた美咲が、少しだけ声のトーンを落とした。
「わたしの結婚式、2次会も来てくれるって言ってたじゃん?」
「うん」
「でもね、クリニックの人たち、結婚式までで帰るでしょ。
2次会、友達いないーって不安そうだったじゃん?」
「……うん、そうだね」
みいなは曖昧に頷く。
「でさ」
美咲は一瞬間を置いてから、にっと笑った。
「大地くん、呼んで一緒に来てくれない?」
「ええ?」
思わず声が上ずった。
「いやいや、大地って関係ないじゃん。
わたしの友達だけど、美咲と直接関係ないし……」
「関係なくないよ」
美咲は即答した。
「だって、一応わたしとも面識あるし」
「それはそうだけど……」
みいなは言葉に詰まる。
頭の中に浮かんだのは、大地の顔。
あの落ち着いた目と、余計なことを言わない距離感。
「それにさ」
美咲は身を乗り出して続けた。
「海外だと普通に“パートナー同伴”とかあるじゃん。別に恋人じゃなくてもいいのよ」
「パートナーって……」
その言葉が、少しだけ胸に引っかかった。
「まぁまぁ」
美咲は軽く手を振る。
「深く考えなくていいから。
2人でさ、わたしの幸せ絶頂の姿でも見てよ」
「……雑な誘い方」
みいなが苦笑すると、美咲も笑った。
「雑だけど本音」
少しだけ真面目な表情になる。
「ね、正直さ。
みいなが1人で来るより、大地くんと一緒のほうが安心するの」
「安心?」
「うん。変な男連れてくるより、百倍」
その一言に、みいなは息を詰まらせた。
(……変な男)
言葉にされなくても、拓也の顔が浮かぶ。
「大地くんってさ」
美咲はマグカップのふちを指でなぞりながら続けた。
「みいなのこと、雑に扱わない感じするんだよね」
「……そう、かな」
「そうだよ。
雑に扱わない男って、だいたい一貫してる」
みいなは返事をせず、グラスの中の氷を見る。
カラン、と小さな音が鳴った。
「まぁ、今すぐどうこうじゃなくていいからさ」
美咲はふっと明るい声に戻る。
「2次会、付き添いってことで。ね?」
「……考えとく」
その返事に、美咲は満足そうに頷いた。
「うん、それでいい。
考えるって言葉が出た時点で、もう一歩進んでるから」
みいなは苦笑しながら、心のどこかが静かにざわつくのを感じていた。
(大地と、2次会……)
想像すると、なぜか落ち着く。
でもその“落ち着き”が何を意味するのか、まだ名前をつけたくなかった。
