「...美亜、君は俺の"微分"だ。日々俺の心をより一層、君への愛へと"積分"していく...」
直人が、満面の笑みで美亜に語りかけた。
その言葉は、聞く者によっては甘い告白にも聞こえるが、美亜にとってはいつものナルシストな戯言に過ぎない。
しかし、今日に限ってはその言葉もなんだか煩わしい。
如月先生と親しげに話していた(と、明里が思い込んでいる)美亜の姿を見た直人は、内心、如月先生に対して、静かな、しかし燃えるような嫉妬心を抱いていたのだ。
それは、まるで、彼のナルシスト魂に火をつけたかのようだった。
「まさか、あの如月先生に、美亜を奪われるなど...!許せん!俺の美亜に、他の男が近づくなどこの世の理(ことわり)に反する!」
しかし、彼はその嫉妬心を、直接的な攻撃に転じることはない。
なぜなら、彼は「究極のナルシスト」だからだ。
嫉妬すらも、彼は「自分をより魅力的に見せるためのスパイス」として利用する。
美亜を笑わせ、彼女の心を掴むための、新たな「パフォーマンス」へと昇華させたのだ。
「ふははは!美亜よ、君は知っているか?俺のこの輝きは、嫉妬という名の炎によって、さらに増幅されているのだ!まるで、太陽が「核融合」を起こすように、俺の魅力は無限に...」
「もう、いいから直人、そろそろうざい。如月先生と、ピヨちゃんの世話のことで話してただけだってば」



