「お金の音だぁ!!聞こえる!ジャラジャラ~って!」
「え?どこから?」
美亜が慌てて辺りを見回すが、何も聞こえない。
明里は、耳を澄ませて、さらに興奮した様子で続けた。
「もっと近くで!この音、たまらない!私、お金数えるの大好き!ピッ、ピッ、ピッ...」
明里は、指をパチンパチンと鳴らしながら、空中に現金を数える仕草をし始めた。
その姿は、もはや勉強会とはかけ離れた奇妙な儀式のようだった。
「明里、お金じゃないよ、これは勉強!ほら、この単語帳見て。これは『disaster』って言って、大惨事って意味だよ。」
「ダイナマイト?ドカーン?」
「違う!災害!たとえば、この前の台風とか!」
美亜は必死に明里を現実に引き戻そうとするが、明里は「お金~!」と叫びながら、生徒会室を駆け回り始めた。



