美亜は、そんな二人を交互に見ながら、頭を抱えた。
明里の空気が読めない「愛情表現」と、直人の「憤慨ナルシスト」が、まさかのブロッコリーを介して衝突している。
「明里、直人くんがブロッコリー嫌いなのはもうみんな知ってることでしょ?なんでわざわざ...」
「だって、みんなで一緒に食べたら、きっと美味しいもん!それに、直人くんがブロッコリー嫌いなら、私が全部食べてあげる!」
「いや、明里もブロッコリー好きだから、全部は無理でしょ!っていうか直人のお弁当にはブロッコリーどころか、何も残らないわよ!?」
美亜のツッコミは、明里の宇宙へ向かう思考には届かない。
一方、弘美は黙々と自分の弁当を食べていた。
彼女の弁当箱は、緑が埋め尽くされ至って同じだ。しかしその顔は、どこか真剣そのものだ。



