美亜の目の前にある弁当箱は、隙間なくブロッコリーで埋め尽くされていた。
緑の小宇宙とでも言うべきか。
他の生徒会メンバーも、目を丸くして明里の弁当箱を覗き込んでいる。
「えっと…明里、これ…何?」
「えへへ!美亜ちゃん、今日の弁当、ブロッコリーだよ!だって直人くん、ブロッコリー嫌いだって言ってたじゃない?」
明里は、悪気なく、満面の笑みでそう答えた。
どうやら、明里なりの次元を越えた「気遣い」らしい。
しかし、その「気遣い」の矛先が、とんでもないことになっている。
「な、なんだと!?この弁当箱は、一体どういうことだ!?」
案の定、直人が悲鳴のような声を上げた。
彼の弁当箱にも、ブロッコリーがぎっしり詰まっている。
直人は、普段からブロッコリーを極端に嫌っており、給食でブロッコリーが出ただけで、学校を休むほどのアレルギーを持っているのだ。



