弘美は、ゴールテープを身体に巻き付けながら、
「よっしゃー!最強の武器、ゲットだぜ!これで次のステージも楽勝だ!」
と叫び、 先生に「向井ー!それはただのゴールのテープだ!返しなさいーっ!」と突っ込まれていた。
美亜は、明里がピヨちゃんの水槽を抱えて満面の笑みを浮かべている姿を見て、なんだか複雑な気持ちになった。
確かに、ピヨちゃんは生徒会室のアイドルだが、こんな形で登場させるなんて。
でも、明里の純粋な気持ちは、なんだか憎めない。
美亜は、明里が走ってきた方向へ向かい、ピヨちゃんの水槽を受け取った。
「明里、ありがとう。でも、ピヨちゃんは、もう大丈夫だから。ちゃんと生徒会室に帰してあげるからね。」
「えー、もう行っちゃうの?ピヨちゃん、もっとみんなと触れ合いたいんじゃないかな?」
「明里、ピヨちゃんはそういうポジションの生き物じゃないから。」
美亜は、ピヨちゃんの水槽を抱えながら、明里の頭を優しく撫でた。
借り物競争は、明里の奇行によって、会場全体を爆笑の渦に巻き込んだ。
美亜は、次々と巻き起こるハプニングに、ツッコミを入れながらも、どこか楽しんでいる自分に気づいていた。
この学園の体育祭は、一体どこまでカオスになるのだろうか。
美亜は、ピヨちゃんの水槽を生徒会席に戻しながら、明里の笑顔を思い出し、小さく微笑んだ。



